これは、大昔からヘビロテしているアルバムのひとつです。ロックのライナーの世界では、時々「ロック・オペラ」という言葉を見ます。僅かでもシンフォニックな味わいがある一代コンセプトアルバムが発売されたりすると迷わずオペラという言葉を使う風習があるようにも思われますが、このアルバムは、A-4でニナハーゲンも歌ってる通り、見事にロックンロール・オペレッタだと思います。
大昔、確か、夜9時頃NHKでやっていた渋谷陽一氏のラジオでオンエアされたのを聴いたのが初めで、即LPを買いに行った記憶があります。当時、ニナ・ハーゲン本人はパンクのつもりだったらしいのですが、このバンドは音が整い過ぎていまして、むしろ、プログレのように技巧的なこともあり、私のようなぷろぐれオタにも全く抵抗なく聴けてしまいました。
下品なオペラチック・ヴォーカル・スタイルは、実は、かなり訓練された上でのものであることが一聴しただけでよ~く分かります。圧倒的なパワーです!そして、曲が視覚的に展開するので、プログレ好きにはたまらない訴求効果がありあます。
一体、何オクターブ出るんだろうというくらい、どんどん駆け上がります。そして、最高音部でも、キ~ンという超音波的な声ではなくて、ちゃんと歌として聞き分けられる十分な声量をしています。兎に角上手いんですよ。バンドの演奏は、十分に抑制され、音の粒立ちもよく、リズムの縦の線がピシッと整っています。
激しくオススメ!!!