ボブ・ディランをテレビで見たのは80年代のUSA for Africaの収録風景が初めてではなかったかと思います。その時の印象は唸ってるだけで歌っていない…というか、スティーヴィー・ワンダーがモノマネした通りになぞっていた感じでした。まぁ、なんだか、音程の起伏ではなく声の強弱だけで歌ってる人って感じでしたね。
冤罪で収監されたルービンカーターの物語を歌うハリケーン、モザンビーク、コーヒーもう一杯、オー・シスター、ジョーイ、ブラックダイアモンド湾など・・・。コーヒーもう一杯は、スコーピオンズのイン・トランスにもよく似ている気がするのは私だけでしょうか。
演奏面では、スカーレット・リベラのバイオリンが全面にフィーチャーされて、それぞれの曲想に応じて、いい効果を醸し出しています。
これまでに、聴いた中では、このアルバムのほか、ローリング・サンダー・レヴュー・ツアーの模様を収録した「激しい雨」が好みです。初期のもの、特に「時代は変わる」のようなアコギ1本というのも、それなりに渋いですが、ここは「ロックの歴史」を概観できることをテーマにしているつもりの似非音楽ページなので、そういう意味では、やはり8ビートがバシバシ伝わって来る「ハリケーン」が一番かなぁと。
ボブ・ディランのライヴは90年ぐらいに横浜体育館で見たのが最初で最後でしたが、あれからもう25年ほどが経過。いまは、どんな感じなんでしょうね。
なんと、ノーベル文学賞ですか。しばらく音信不通ってことだったので、無視して「王立アカデミーから愚かな風が吹いてくる」的な偏屈な歌でも歌うのかなぁと密かに期待してたんですが、感動して言葉を失っていたのだとか、、、なんだ賞は欲しいんだ。授賞式にはちゃんと遅れず出席して、式や晩餐等々の最後までちゃんといたのでしょうかね。