ピーター・ゲイブリエル(vo)が抜け、フィル・コリンズがボーカルとなった第2作です。この頃は、まだ、フィル・コリンズの声の抜けが十分ではなく、高音域になるとちょっと息苦しいところは否めませんね。でも、80年代に入ると、フィル・コリンズはボーカリストとして大ブレイク!ジェネシス自体もPOPなヒットを連発するようになりましたので、当時は分かりませんでしたが、彼自身の才能は相当のものだったんでしょうね。
冒頭、イレヴンス・アール・オブ・マーのミステリアスなイントロが流れただけでこのアルバムの世界に引き込まれます。
続くワン・フォー・ザ・ヴァインと、2曲、純プログレ大作が並びます。
そしてマウシズ・ナイト。これら3曲は、いずれも物語り仕立てで、トニー・バンクスのシンセサイザーが前面に押し出されたキーボード群中心のシンフォニックな展開の曲です。
そして、特筆するとすれば、終曲、まどろみ~静寂~アフター・グロウと組曲仕立てで演奏される3曲です。穏やかな曲調から緊張感のある曲調に移り変わりさらに優美なバラードへと展開してゆくのですが、静寂の終盤でインストルメンタルのテンションが最高潮に達したところでG、G△7、C、Cm・・・と奏でられるアルペジオの美しいこと♪ 残光、余韻、このアルバムの仕上げに相応しい美しい終わり方です!
ヒプノシスによる淡いジャケットデザインもいいですよね~。表裏でアルバムをよく表現していると思います。