Cafe Evil 9

ごくごく普通の何の変哲もない平凡でどこにでもあるようなブログです♪

Cannonball Adderley / Somethin' Else

 もう少しすると紅葉の季節ですかね。昨日あたりから朝夕の風が少しだけ涼しくなってきたかなぁというところで、これを聴いています。

 もともとミュート・トランペットの金属的なアタック音に免疫がなかったので、長い間、マイルスに馴染めなかったのですが、このアルバムの枯葉は、バンドの中でこういう立ち位置の音が出したかったのねと自然な理解に繋がった、ジャズの奥行きというか視界を一気に広げてくれたそういう楽曲でした。このアルバムによってシャンソンの枯葉がジャズのスタンダードになったのだそうです。歴史的名演です。

 枯葉にしては独特すぎるハンク・ジョーズのイントロと、それに乗っかって最初に出てくるミュート・トランペットのリフに脅かされますが、実にスムーズに一転。イントロが終わるやいなや歌メロがストイックなマイルスのミュート・トランペットで奏でられます。そして、続く流麗なキャノンボール・アダレイのアルトのソロの対比が胸がキューンとなるくらい鮮やかです。

 ワン・フォー・ダディでは、先にキャノンボール・アダレイがソロを取り、続いてマイルスがソロを取りますが、これも同様。サム・ジョーンズのシンプルなベースラインとアート・ブレイキーの刻むスローなリズムに身を委ねて聴く絞り出されるエモーショナルなソロ・・・迫力ありますね。ハンクジョーズのソロもかなり抑制されていて重く訴えるものがあります。

 キャノンボール・アダレイは写真で見ると膨よかな風貌で、いつも穏やかな表情をしていて、彼の吹くアルトにも、彼の性格(勝手に想像しているだけですが)が滲み出ているような気がします。他方、薀蓄本によると彼は大食いだったのだそうで、脳梗塞で40代で亡くなっています。体調管理には気をつけないといけませんね。