1949年にディジー・ガレスピーの楽団で演奏して実力を認められたことをきっかけに活動を始めましたが、1956年、25歳のときに自動車事故で亡くなってしまいましたので、実質的な活動期間は6、7年ということになります。彼が、亡くなる直前まで属していたのが、このクリフォード・ブラウン&マックス・ローチ・クインテットです。
このクインテットの演奏はとにかく、素晴らしく緊張感に溢れる演奏です。特に、3曲目のI Get A Kick Out Of You 、邦題「君にこそ心ときめく」では、速いパッセージを縦横無尽に吹きまくるクリフォード・ブラウンを手数の多いスティック・ワークで迎え撃つマックス・ローチという構図で、両者の異種格闘技バトル的な演奏が聴けます。途中、ドラムスのソロの背景等には観客の歓声がそのまま収録されていて、臨場感いっぱいです。1954年という時代を感じさせない明らかに圧倒的なパワーが伝わって来ます。