Cafe Evil 9

ごくごく普通の何の変哲もない平凡でどこにでもあるようなブログです♪

Gracious !

 1970年にヴァーティゴからリリースされたグレイシャスの(バンド存命時)唯一作です。通称、エクスクラメーション・マーク・アルバム。(バンド解散後、1972年に2ndがフィリップスから出ています。)
 このアルバムは、イントロダクション、天国、地獄、フーガDマイナー、夢の5曲で構成されていまして、このタイトルの並びを見ただけでプログレファンは生唾ものだと思います。

 実は、近所のユニオンに、薄汚れた(かなり汚い)ジャケットのオリジナルが17000円で出ているのですが、流石に変えないなぁと、毎度ジャケットを眺めてはスルーしています。これはストレンジデイズから出た紙ジャケです。

 音楽は、数年で解散した魑魅魍魎的なバンドとは思えないくらい、しっかりと 作られています。
 イントロダクションは、4分音符頭打ちの強力なリズムのハードなナンバーですが、ハープしコードがめっちゃ効いています。
 天国は、メロトロンをバックに静かに始まり、ピアノコンチェルト的な大団円に到達する構築的な曲。
 地獄は、ヴァンゲリスよりずっと地獄ですね。ユニベル・ゼロなどのチェンバーに迫るミスティシズム!オルガンとピアノの音の捉え方がいいですね。終盤、サージェントペッパーズ的にサイケに展開して、締はお決まりのオッフェンバック!やってることはロックなのですが、聴感はほぼほぼ古典音楽。いやぁ、凄いです!

 次のフーガは、ギターとハープシコードによるそのまんまフーガ。このフーガも4分音符頭打ちのリズムがバシバシ聴こえてきて面白いところ。
 終曲夢は、いきなりエレクトリックギターで始まり不意を打たれますが、リリカルなピアノのまどろむような演奏に展開したかと思うと、ブルージーなギターソロが出てきたりします。何と中盤、普通にロックン・ロールしたりもします。かなり凝ったよく練られた展開ですね。締はイントロダクションの変奏です!

 こんなにしっかり音楽が作れて、しかも演奏できる人たちが埋もれてしまうのは、本当に勿体ないですね。私にはどストライクなのですが、音が理屈っぽいから(っていっても、割と安直に解りやすい部類ではないかとも思うのですが)普遍的じゃないのかも。