Cafe Evil 9

ごくごく普通の何の変哲もない平凡でどこにでもあるようなブログです♪

Affinity

 1970年にリリースされたアフィニティー唯一のスタジオ・アルバムです。アフィニティーは1965年にブライトンのサセックス大学でLynton Naiff、Grant Serpell、Nick Nicholas(元b)の3名が始めたジャズのトリオが前身でした。そのため、かなり思い入れのあるタイトルだったんでしょうね~。アフィニティーの名称はオスカー・ピーターソンのアルバムのタイトルからとったものなのだそうです。

 このアルバムぼオリジナルは、バーティゴ・レーベルから出ていまして、その筋の人たちにはかなりの有名盤です。残念ながら、写真のLPは、AKARMAレーベルが2000年に重量盤のLPで再プレスしたものなので、右上にヴァーティゴ・マークが入っていません。

 この淡い幻想的なジャケットは、キーフの数ある作品の中でも一際美しいものですよね~。和傘で水辺に佇む女性の先には2羽の白鳥がいます。木々には葉がないので季節は冬ですかね。そんなわけで、このアルバムは、音楽よりもジャケットの人気が先行していて、ロックのカヴァー・アート特集なんかで紹介されることが多いのです。聴いたことがなくてもジャケットなら見たことのあるっていう人は多いのではないかと思います。

 アフィニティーの音楽は、ブラスやハモンドオルガンが特徴です。女性ボーカルで、ブルース系のちょっとだけハードな演奏も聴かせる往年のブリティッシュ・ロック。ジャズロックと黎明期のハードロックとの岐路あたりの音でしょうかね。1970年代特有のビブラートの少ない女性ボーカルが時代を感じさせます。

 今の時代に聞くと、ちょっと枯れた味わいが、逆にクールに洗練されたいい感じに響きますね。1曲目のI Am And So Are Youなんかはファズ・ギターとブラスで盛り上がる、時代を感じさせる音です。当時、流行したんでしょうね、こういうスタイル。当時のブリティッシュ・ロックの典型例の一つともいえるスタイルです。

 ハイライトは、7曲目に収録されたAll along the watchtowerでしょうね~。いわずと知れたボブ・ディランの曲です。クールな歌いだしから次第にヒートアップしていくところがなかなかいい感じ。11分強の長尺曲。オルガンのソロが圧巻です