彼らは、1970年代初期のプログレッシヴ・ロック・ムーブメントの影響を受け1978年にこのファースト・アルバムを発表しました。アルバムはセルフタイトルですが「北欧の夢」という邦題がつけられています。写真はマーキー盤。ちなみに、各曲につけられた邦題は、1.東方の国、3.理想郷の日光浴-もしくはオゾン層破壊による紫外線への恐怖、4.ヴェネツィア条約です。後の曲は邦題なし。
ダイスは、演奏力が信じられないくらい優れていますが、他方で、ボーカルの声質が微妙にリンゴスター系の緩キャラなのです。どんなうまい演奏でもボーカルが微妙だとコケるという見本ですかね。
演奏面について言えば、流石にクラシックの素養を生かし、構成力に優れた逸品ばかりです。冒頭、ダイスを転がす音とともに急速長のギターのパッセージで始まる「東方の国」でいきなり彼らの世界に引き込まれてしまいます。見事なまでの変拍子とこれ見よがしな場面転換の多いプログレファン泣かせの素晴らしい曲です。しかも、組曲フォリーズは22分超ですよ^^;
理想郷の日光浴はフロンガスの使用によるオゾン層の破壊について歌ったもの。ヴェネツィア条約(インストルメンタル)は、一般には、ヴェネツィア憲章と呼ばれている1964年のユネスコの国際憲章のことです。「歴史的建造物を修復する場合は建設当初の部材を尊重すること、損なわれた箇所を補足する場合は推測ではなく科学的な根拠のある復原とすること、当初からの部材と修復された部分が明確に区別できるようにすることなど、保存・修復にあたっての基本的な理念が記述されている。by Wikipedia」ものだとか。
また、フォリーズでは統合失調症について縷々述べています。このように、彼らは、国際社会をはじめ時事等々多方面に興味を持っていた意外にも固~い人たちだったんですね。
蛇足ですが、メンバーの写真の中で、レスポールっぽいシェイプのWネック・ギターが気になります!