スコーピオンズの「○○の蠍団」シリーズは、キッスの「地獄の○○」とともに、70年台ハードロックを象徴するネーミングでしたね。無意味な言い放し系のノリが、かなり、好きでした。
ウリさん時代のスコーピオンズは全部好きなのですが、他のどのグループにも似ていないし真似されていない最も濃い音が入っているのがこのアルバムかなぁと。このアルバムで、特に押すのが次の4曲です。
今もなおヘビロテな一押し曲は「ドリフティング・サン」です。スコーピオンズの中では、ブラックアウトの「アリゾナ」と並ぶ重い曲。クライベイビーですかね~。思いっきりエフェクトをかけたギターで弾き倒されると涎出てきそうです^^;ウリさんのしわがれたヴォーカルもロックな感じでハマってますしね。
ファー・アウエイも特徴がありますね。このドタバタした感じのリズムもアルバムで言えばラヴ・ドライブあたりまで時々登場するスコーピオンズ特有のパターンです。最近の歌謡曲に例えれば氷川清系のド演歌にありがちなリズムのキメです。こうした、妙に和的な音階やらリズムパターンを強引にロックにして聞かせてしまうところが当時のスコピの凄さだったかなぁと・・・。
そして、タイトル曲。クラシカルなギターで始まり、コーラスを経て、インテンポのロックになり、さらに、ダークに展開し、ジミー・ヘンドリックス的なギターで完結。この展開もなかなか凝ってていいですね。本当はコーラスなしの中野サンプラザのライヴ・テイクも推しなのですが、こちらのスタジオ録音もなかなかの力作です。
最近、RCA時代の初期3枚が紙ジャケ発売されているのを見かけたのですが、ヴァージン・キラーのあのジャケットはないんじゃないですかね~。紙ジャケ化するんだったら発禁ジャケでしょう。この電撃の蠍団のレインボウ・ジャケットはなんだかそそられる不思議なデザインです。