Cafe Evil 9

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Styx / Paradise Theater

 Styxの 1981年の大ヒットアルバム「パラダイス・シアター」です。
 スティクスは、パノッゾ兄弟が1963年にシカゴで結成したバンドが母体となり、1964年にデニス・デ・ヤング、1968年にジョン・クルレウスキー、1970年にジェイムズ・ヤングを加えてスティクスと改名したのがバンドの誕生経緯だということです。スティクスとはギリシャ神話に登場する「黄泉の国の川」の意味です。

 1972年、スティクスはウドゥン・ニッケル・レーベルからファースト・アルバム「スタイクス」(当時のカタカナ表記)でデビューしました。同年暮れ、セカンドの「スティクスII」を、翌73年に「Serpent is Rising」を、74年に「Man of a miracles」を発表しています。

 「スティクスII」からは「レディ」が全米チャートの6位となり、その後、1975年にA&Mに移籍、「分岐点」を発表後、ジョン・クルレウスキーが脱退しトミー・ショウが加入して1976年に「クリスタル・ボール」、1977年に「グランド・イルージョン」、1978年に「ピーシーズ・オブ・エイト」、1979年に「コーナー・ストーン」を発表しました。コーナーストーンのバラード「ベイブ」は全米No.1ヒットとなり、そして、1980年本作「パラダイス・シアター」の発表に至ったわけです。


<Side A/B をAct1、Act2とする凝りよう!>

 プログレ系のバンドには小難しくてチャートとは程遠いバンドがいる一方で、こうしたメジャー所を歩み続けている流れもあるというのは面白いことですね。

 「パラダイス・シアター」は、アルバムチャートで全米1位となり、さらに、収録曲の一つベスト・オブ・タイムがシングル・ヒットしました。当時は、MTVブームの真っ只中でしたから覚えている方も多いんじゃないでしょうか。

 スティクスは我が国ではカンサスやボストンなどと並びアメリカン・ハード・プログレの旗手のように扱われることが多いのですが実は、特に、5枚目以降、かなりポップなハード・ロックで、個々の曲の一部やアルバム全体のコンセプト的な風味としてぷろぐれ臭が感じられるものがあるといった程度かなぁと思います。。

 さて、パラダイスシアターは、シカゴの封切り館パラダイス・シアターの誕生(A.D.1928)から廃館(A.D.1958)までの30年間を綴った一代コンセプトアルバムです。

 縦開きのジャケットの表が華やかな頃のパラダイス・シアター、裏面が閉館後寂れてしまったパラダイス・シアター、内側にメンバーの写真と歌詞が印刷されています。また、手元のUS盤LPでは、Side Bのレコードの溝のところに、透かし彫りのような感じで、STYXの文字と絵が浮かび上がるような凝った装丁となっています。

 静かな幕開けから豪快にロッキン・ザ・パラダイスが始まり、曲とともに場面が変わります。ミュージカルを見ているかのような視覚的な曲の配置となっています。また、ベスト・オブ・タイムの主旋律が、冒頭のA.D.1928とエンディングHalf-Penny, Two-Penny〜A.D.1958に使われてこのアルバムのコンセプトを非常に明確にしています。