Cafe Evil 9

ごくごく普通の何の変哲もない平凡でどこにでもあるようなブログです♪

Judas Priest / Killing Machine

 ジューダス・プリーストの「殺人機械」。このアルバムをネットで検索してみると、US盤は「ヘル・ベント・フォー・レザー」というタイトルで出てるようですね。ちなみに、収録曲に「キリング・マシーン」がありますので、「殺人機械」はこの曲をアルバム名に冠したもののようです。ちなみに、「ヘル・ベント・フォー・レザー」も収録曲ですが、この邦題は「殺戮の聖典」なので、US盤を国内仕様で発売することになっていたら、タイトルは「殺戮の聖典」になってたのかも。

 私は、ジューダス・プリーストのアルバムの中でこのアルバムが一番好きなんですよ!これ以前は音がか細いし、これ以降暫くは、リフ中心でソロが激貧。その後はソロは少し増えるのですが何だか淡白。ロブ・ハルフォードもげーはーになってメタルゴッドと化してしまいますからね。このアルバムは、自然なボーカルと自然な演奏で、しかも、メロディーひとつ、リフひとつ、各楽器の音質ひとつ切り取ってみても、違和感なくアルバムトータルで完成度が極めて高いところがポイントです。

 このアルバムの音は、近年のメタルからすると音は信じられないくらいスカスカです。しかし、ギターのディストーションの深さ、音数の詰まり具合、アルバム全体を支配する重量感等々、ジューダス・プリーストがデビュー以来一本気にやってきた路線の集大成のような気が勝手にしているわけです。

 重く畳み込むリズムにのって、ロブ・ハルフォードは、従来の脳天つんざき型のシャウトに留まらず、重低音域も取り入れてみたりなどして、迫力を増して、いい感じに歌っていますし、K・Kとグレンのツイン・リードも裏ジャケの写真さながら、ハイテンション&ハイスピードでぐいぐいとキテます!

 1曲目の「ユダへの貢物」から「殺戮の聖典」まで曲ごとに緩急を変えながら一気に駆け抜ける感じが好きです。LP時代にはA面ラストであった「テイク・オン・ザ・ワールド」は、アカペラ大合唱系のノリですがスッゴイ重いです。

 またB面に移ると、バーニン・アップ、殺人機械、ランニング・ワイルドと続く疾走感が気持ちよくって、極めつけは、バラードの「ビフォー・ザ・ドーン」、この美しさは、アルバムを通して聴くと更に映えますよね~。ギターのアルペジオでしんみりと歌い始めるあたりもいい感じなのですが、途中のツボを押さえたギターソロには涙が出そうになります。最後に、再び、アルバム中でも最も硬質で重量感にあるイヴィル・ファンタジーで幕を閉じる、というあたり、起承転結がしっかりしてますよね。

 このアルバムは、ホントに冗長さの欠片すら無くって、しかも、爆音なのに喧しくないんですよ。なんだか、コンセプト・アルバムでも聴いているようなノリで鑑賞できてしまうという不思議なメタルだと思います。

 CD化に当たり、グリーン・マナリシが昔のLPで言えばB2あたりに追加されています。ライヴでは定番曲のようですが、オリジナルには入れられていなかっただけのことはあり、他の曲とのバランスがイマイチすぎです。しかも、この曲だけピーター・グリーンのカヴァーなんですよね。ありえません!次作ブリティッシュ・スチールにでも入れたほうが違和感が無いんじゃないかな。

一番好きな「ユダへの貢物」
Judas Priest - Delivering the Goods (Official Audio)

そして、どハマりしているベビーメタルとのコラボです!
APMAs 2016 Performance:
BABYMETAL perform with ROB HALFORD of JUDAS PRIEST