Cafe Evil 9

ごくごく普通の何の変哲もない平凡でどこにでもあるようなブログです♪

Fireballet / Night On Bald Mountain

 稚拙な禿山をアップしましたので、それ繋がりでファイアー・バレー。バレエの方がいいですかね。ファイアーバレーは、1971年から1976年まで活動していたアメリカのプログレッシヴ・ロック・グループです。  これは、1975年にアメリカのパスポートレコーズからリリースされた1stアルバムです。手元には、盤起こしでCD化されたものと思われるスウェーデン盤のCDと、パスポートのオリジナル盤LPがあります。このLPは、かなり長い間探していたのですが、10年ほど前に、大阪なんばの某小さな中古レコ屋さんで信じられない廉価でゲットすることが出来ました。棚からこれが出てきたときは一瞬、固まりました(笑)
 最近は普通に見かけるようになりましたけどね。

 巷ではイエスっぽいとかジェネシスっぽいとか言われているようですが、私には、全くそういう風には聞こえなくて、むしろ、A面の3曲は、ブリティッシュプログレシヴの影響下にありながら、骨太なアメリカのバンドらしさ、たとえばボーカルの芯の太さや、ドラムスとベースのバッキングに対するモーグやギターの前への出方などオリジナリティがかなり感じられます。

 彼らの演奏力がしっかりしている点は特筆すべきで、B面でムソルグスキーの禿山の一夜をアレンジして演奏しているところなど驚異的です。オケ譜にかなり忠実に、細かな装飾音までコピーしています。しかも、ヴォーカルパートまで創作して挟み込んでいます。終盤のボーカルのメロディーはほぼほぼタルカスですね。途中、このアルバムのプロデューサーでもあるイアン・マクドナルドキング・クリムゾン)のアルト・サックスのソロが入ります。でも、このボーカルとメランコリックなサックスの挟み方についてはリムスキー=コルサコフは怒るんじゃないかなと思える唐突感です。

 以降のインストルメンタル・パートはなかなかスリリングです。厚みを持たせたキーボードの逞しさがちょっとELPっぽいかとも思いました。メロトロンからアープからモーグからオルガンまで登場する豪華絢爛なキーボード群に重厚に歪んだギター。よく言えば、本家の禿山が冗長に思えてくるほどのハイテンション、インスト・バトルになっています。他方で、曲全体のバランスについていいますと、個人的には、ロックの一代大作としては、静の部分で曲全体のドライヴ感が損なわれているので、半分ぐらいの尺にして、ちょっと滑らかにアレンジし直したいところです。最近、興味が、そっちに向いていないので実際にはやらないんですけどね。