Cafe Evil 9

ごくごく普通の何の変哲もない平凡でどこにでもあるようなブログです♪

Sky / Sky 2

 スカイはクラシック・ギター界で貴公子的な存在であった(のだそうです。全く知らないもので・・・)ジョン・ウイリアムスが旧カーヴド・エアのメンバーであったフランシス・モンクマンら1980年当時のセッション・メンと結成したグループでした。このアルバムの鷹見弘さんの解説にもあるとおり、誰もセカンド・アルバムが出るとは思えないメンバー構成でした。そうした英国ポピュラー音楽界の一流どころが恒常的なグループを作り、1978年から1995年まで活動していました。

 スカイは、一言で言えばシンフォニック・プログレです。クラシック畑とロック畑が均衡している点が、一般のプログレよりも楚々として聞こえる理由かなと思います。演奏のタイム感が実に正確なんですよ。そういう意味ではフュージョンのような聴感です。岩波洋三さんの日本でフュージョンというとジャズよりの演奏をさすがこれも立派にフュージョンであるという解説もありますので、まさにそのものではあるのですが。ロック・フリーク的には、音が整いすぎていると、パンチ力に欠けるかなというところもあり、ここまできっちりと演奏されると若干複雑ですね。

 このアルバムでは、サイド3で、メンバー各人のクラシックの素養を見せてくれたりしつつ、またサイド4の1曲目では、カーヴド・エアのバイオリン曲ヴィヴァルディをハープシコードを中心になかりアグレッシヴに演奏してみせたり、また、バッハのトッカータとフーガのトッカータ部分をテーマにして、かなり分かりやすいロック(彼らにしてみればパンク感覚なのではないかと思うくらい明瞭なアレンジ、ちょっと稚拙です>暴言!)を聴かせてくれたりしつつ、あとの面では、かなり本格的に構築されたオリジナルのプログレを演奏しています。  演奏で最も耳に残るのは、ハービー・フラワーズのベースとトリスタン・フライのリズムです。全くジャズではないのですが、妙にスウィングしています。ベースのピッキングとスネアの叩き方からなのか、録音によるものなのかは不明ですが、なんだか、ティンパニに近い聴感です。

 また、当時の録音にしては、かなりクリアに楽器が分離しています。これは、彼らの演奏力によるところも大きいのだとは思いますが、デジタル録音なのだそうです。当時のライナーにはこのあたりのことも縷々説明が書かれています。当時はコンピューターなんて全く普及していませんでしたから呪文のようでしたが、今読むと普通すぎて笑えますね。