Cafe Evil 9

ごくごく普通の何の変哲もない平凡でどこにでもあるようなブログです♪

Mike Oldfield / Tubular Bells

 なかなか感性的に合わないというかのめり込めない大物がいます。趣味の世界だからしょうがないのですが、ピーター・ハミル、クリスチャン・バンデ、そして、このマイク・オールドフィールドです(まだまだいっぱいいるかも)。そうした人たちのアルバムも、似非プログレページなので、資料的に載せていこうかと思います。

 マイク・オールドフィールドは、14歳でデビューしたバークシャー生まれのマルチ・インストルメンタリストです。世間の扱いとしては鬼才ですね。当初は、姉のサリー・オールドフィールドとともにフォーク・デュオを結成して活動していたそうです。その後、彼は1969年にホール・ワールド(ソフト・マシーンのケビン・エアーズのバンド)にギター&ベースで参加。その後、ヴァージン設立準備中のリチャード・ブランソンの目にとまり、ヴァージン・レコード第一弾作品として発売されたのが、このチューブラー・ベルズでした。リチャード・ブランソン激推しの超々スーパーアルバムです!

 収録曲は、Tubular Bells1曲。AB面で Part1とPart2に分かれています。アルバムに若干の参加ミュージシャンはクレジットされているものの、1972年から1973年初旬にかけて、自宅で、しかも全ての楽器を一人で演奏して作り上げたアルバムということで、一躍シーンで注目を浴びることとなりました。ちなみにクレジットを転写するとこんな感じ。Mike Oldfield(grand piano, glockenspiel, farfisa organ, bass guitar, electric guitar, speed guitar, taped motor drive amplifier organ chord, mandolin like guitar, fuzz guitars, assorted percussion, acoustic guitar, flageolet, honky tonk, lowrey organ, tubular bells) Viv Stanshall(master of ceremonies) Jon Field(flutes) Lindsay L. Cooper(string bass) Nasal Choir(nasal chorus) Mundy Ellis, Sally Oldfield(girlie Chorus) // Side 2 - Mike Oldfield( electric guitar, farfisa organ, bass guitar, acoustic guitars, piano, speed electric guitars, lowrey organ, concert timpani, guitars sounding like bagpipes, piltdown man, hammond organ, spanish guitar, moribund chorus) Sally Oldfield,Mundy Ellis(girlie Chorus) Manor Choir conducted by Mike Oldfield(bootleg chorus) Steve Broughton(drums)

 また、アルバム冒頭の部分が、オカルト映画エクソシストのテーマに使用されたことも手伝ってアルバムは800万枚以上のセールスを記録したと言われています。この部分だけは文句なし。素晴らしくいいです。パーフェクト!アブソリュート!でございます。我が国では、エクソシストのテーマは聴いたことがあってもその作者を言える人は極めて限定的だと思われるのですが、彼はロンドン・オリンピックのステージにも登場しましたので、英国では国民的なスターなのでしょうね。

 さて、アルバム全体の曲の構造はというと、数分の曲の断片を沢山つなぎ合わせて1曲にした感じです。ジェネシスやクリムゾンだったら各パートにサブ・タイトルを付けるだろうなぁというような内容です。

 エクソシストで使われた神秘的(というか、もう映画に刷り込まれていますのでオカルト的)なイントロに始まります。この部分のメロディーがこのアルバム全体を繫ぎ止めるメインテーマになっています。

 そして、各パートは、げげげの鬼太郎かみたいなところがあったり、三味線的な部分があったり、天気予報的なパートがあったり、また、原子心母を思わせるボイスが入る部分もあったり、狼男が吠えてる的なところがあったりとバラエティに富んでいます。こうした諸々の断片を時々ふっとメインテーマを挿入して縫い合わせるというなかなか強引な作風です。

 今となっては、音の薄さも耳につき、トータルな完成度はいかがかという感が無きにしも非ずではありますが(暴言?)、また、アルバムのエンディングのブンチャカブンチャカした部分になんだこれ、本当にこれで終わりでいいの感は否めないところですが(暴言?)、長~いインストが推奨されていた当時としては、きっと驚愕的作品だったのでしょうね。ちなみにタイトルは曲が出来上がった後で付けられたものだそうです。

 写真のアルバムは、1973年のUK盤でV2001の番号が付されています。しかし、初盤は、レコードのリムが白黒でしたから、このカラー・リム盤は、もうちょい後のもなのだろうと思われます。マトリックスもA-4U // B-11Uです。実は、このLPも我が家では不遇のLPでして、いつの間にか、他のLPと一緒に売りに出されてしまう運命を数回辿っております。もう、なくなることはないかな。