Cafe Evil 9

ごくごく普通の何の変哲もない平凡でどこにでもあるようなブログです♪

Nektar / A Tab in the Ocean

 Nektarが1972年にリリースした「A Tab in the Ocean」です。
 ネクターはドイツで活動する英国人のグループです。ネクタルと読んだ方がいいのかも知れませんね。バンド名はギリシャ神話に登場する神酒からきているようです。
 ドイツのバンドとはいえ、演奏しているのは英国人なので、当然に歌詞等はすべて英語です。
 彼らの音を聞くと、いつもスパイナル・タップ(その筋のカルト映画)を思い出してしまします。時代に連れて流れるようにというか、流されるようにじわじわと変化していく音像が何とも微笑ましいのです。
 本作は彼らの2ndアルバムで、オルガンとギターを中心としたブリティッシュ・ロック然としたシンフォニック・ロックです。当時の黎明期のハード・ロック的なブリティッシュロックの要素に、もう少し先の時代に登場するハード・プログレ的な要素を合体させたようなサウンドです。彼らの作品の中でのかなりヘビーです。
 音の太さと捻じ曲がり方は、90年代に登場したスポックス・ビアードなんかと並べて聴いても遜色ないんじゃないかと思います。彼らの演奏していた音楽は1972年という時代を考えると、そのくらい先進的なサウンドだったんじゃないでしょうか。

 冒頭の16分に及ぶタイトル曲は、これ見よがしなほどの一代シンフォニック大作です。この重厚度はVDGGに匹敵します。イントロを聴くだけでゾクゾクきます!素晴らしすぎ!彼らのアルバムの中では、一般にはリサイクルドが一押しされることが多いのですが、個人的には、このアルバムが彼らの最高傑作です。中でもこの曲はずば抜けているという印象です。

 そして、極め付けは、このアルバムのアートです!ドイツ人のイラストレーター Helmut Wenskeの作品。これはLPサイズで持っておきたいですね。我が家に今あるのは、5代目くらいになりますが、2019年にパープルピラミッドが再発したマーブル(スプラッター)ヴァイナル(最近ビニールって言わなくなりましたね)です。この絵を眺めながら聞くA Tab in the Ocean!気持ち良すぎます!