Cafe Evil 9

ごくごく普通の何の変哲もない平凡でどこにでもあるようなブログです♪

Il Balletto di Bronzo / YS

 Il Balletto di Bronzo(イル・バレット・ディ・ブロンゾ)のYS(イース)です。リリースは1972年。イル・バレット・ディ・ブロンゾが結成されたは1967年。当初は野暮ったいというか素人臭い雰囲気のハード・ロック・バンドでした。一部バロック調の曲も演奏していたようですが、英米系のバンドと比べるとかなり微妙な音でした。当時の音は1970年のファースト・アルバムSirio2222に収録されています。

 ところが、この後、オザンナの母体となったバンド、チッタ・フロンターレのキーボード奏者ジャンニ・レオーネが合流。ジャンニ・レオーネを主軸としてバンドを再編しまして、突然変異的に重厚なシンフォニックロックへと変貌しました。

 そして、1972年に発表したのが本作YSでした。当時、このアルバムを国内発売した日本ポリドールが「YS」を「イプシロン・エッセ」と呼んだため邦題がそのようの定着してしまったようですが、最近では「イース」と読まれているようです。イタリア語ってJKWXYを使わない言語なので「YS」は外来語なんでしょうかね。ちなみに、アルファベット、イタリア語っぽくいうとアルファベートをカタカナ読みすると「イプシロン・エッセ」または「イ・グレーコ・エッセ」となるようです。

 写真のLPは、もちろん再発モノでSi-Wan盤です。1995年のポリドール盤CDには、1973年録音の安息の家、ヴィットリア夫人の2曲がボーナス・トラックとして収録されていました。グループは、本作を発表後1973年の暮れに解散しましたが、何と1995年に復活した模様です。
 タイトル曲YSは、奇怪なコーラスとオルガンに導かれて始まる一代シンフォニック大曲です。このイントロを聴いただけで怪しさ半端じゃないです!淡々と歌い上げるヴォーカルパートの後、ムーグ(これも最近はモーグですね(^^;;)に先導されて次々と大胆な展開が続きます。中盤でシングルトーンを巧みに使ったオルガンとピアノのソロパートは圧巻の一言。キーボード中心のオーソドックスな古典系シンフォニック・ロックながら、ファズ系のギターが絡み始めると急速にロック色の強い展開を見せます。個人的なツボは、中盤の「タラタラタラタラ」と聞こえるへんちくりんなコーラス。何でもありですね!1972年において、既にこの楽曲の構成力とこの演奏の完成度。なかなか侮れない人たち、イタリアは深いなぁ・・・と思わせられたアルバムなのでありました"^_^"