Cafe Evil 9

ごくごく普通の何の変哲もない平凡でどこにでもあるようなブログです♪

Wishbone Ash / Argus

 今日、Anderson/Stoltを聞きながら通勤電車の中で揺られていました。ジョンの声は透き通っていてロイネ・ストルトのギターは泣きが入っていて確かにパーツは良いのですがメロディーが体に入ってこない。アンビエント・ミュージックみたいで。ということで、無性にちゃんとしたメロディーを聴かせてくれる音楽が聴きたくなって切り替えたのがこれでした。

 「ARGUS」はウィッシュボーン・アッシュの3rdアルバムです。1972年のリリース。邦題は「百貫の巨人アーガス」。スター・ウォーズダース・ヴェイダーか中世の騎士かといった格好の人物が「アーガス」なんでしょうね。辞書で調べると「1.『ギリシャ神話』アルゴス:百眼の巨人/2.(一般に)鋭く見張る人;見張り人」と書かれていました。見つめる先には、アダムスキー型UFOが飛んでいるという・・・。

 丁度、1972年頃っていうとUFOがブームだったのかなぁ。『謎の円盤UFO』っていうイギリスのテレビ・ドラマもありましたね~。これは1970年だったそうです。近未来(1980年代)のロンドンで、侵略してくる宇宙人と地球防衛組織はSHADO(Supreme Headquarters Alien Defence Organisation)が地味に戦うお話でした(^^)

 発売当時の国内盤には、見開きにライナーノーツが貼り付けられていました。当時のビクター音産盤は、オシビザなんかもそうですが、そうした装丁だったようです。このLPは、80年ごろでしたっけ、銀座の数寄屋橋にあるHUNTER(昔は行きつけでした。もう銀座あたりではLPが買えなくなりましたね。)で手に入れたものです。

 ウィッシュボーン・アッシュは、アンディ・パウエルとテッド・ターナーナチュラルで微妙にオーバードライヴした心地よいツインリード・ギターが特徴です。ヴォーカルはソフトで癒し系のヘタウマって感じ。フォーク・ソングかと思うような、ギターのアルペジオで穏やかに幕を開ける「時は昔」は、一転してロックン・ロールに・・・この展開の小気味よさと自然に体を揺らされそうなノリが、このバンド初期の素晴らしさのすべてかなぁ・・・と思います。

 どの曲もメロディーと展開の美しさは抜群で、アルバム全体の整合感も非常に高いアルバムです。70年代のギターキッズ御用達アルバムの一つで、中でも、「剣を降ろせ」は、B級グルメ志向ながら、パープルのスモーク・オン・ザ・ウォーターやツェッペリンの天国への階段に匹敵する重要なナンバーです。

 ウィッシュボーン・アッシュのアルバムの中では、個人的には、この「アーガス」と2ndの「巡礼の旅」がベスト。その次によく聴くのが「ジャスト・テスティング」です。「巡礼の旅」の方は、アルバム自体の整合感はちょっと散漫なのですが、スキャットを使ったり、ライヴ録音の「明日はいずこ」が収録されていたりと演奏がバラエティーに富んでいて、彼らの演奏の幅の広さが窺われるアルバムです。

 タイトル曲にはプログレッシヴな感覚も少々入っていていい感じなので、このアルバムを聴いて気に入った方にはおススメですよ!

 貼り付けたのは、このアルバムの2曲目、Sometime Worldです。静かに歌で始まるのですが、後半、展開後のギターソロのメロディーの組み立て方が美しすぎ!

 お年を召されてからのライブはこちら・・・