Cafe Evil 9

ごくごく普通の何の変哲もない平凡でどこにでもあるようなブログです♪

Trees / On The Shore

 TreesのOn the shoreです。1970年に録音されたセカンド・アルバムです。つい最近、Decal盤のLPを手に入れました(SME盤のCDは持ってたんですけどね。)。

 このアルバムは、"その筋"では、収録された音楽よりも、ヒプノシスがデザインしたジャケット・アートが有名ですよね。本当は左上にCBSマークがある初盤ジャケットがよかったのですがボッタクリ価格で取引されていて、お店の壁飾りになっているみたいなので断念。・・・でもお部屋にも飾ってみたいなぁということで手ごろなこちらをお持ち帰りしました。やはり、LPサイズのジャケットを眺めながら聴くTreesは格別ですね~!

 トゥリーズは、1969年に結成されました。当時、サンディ・デニーがヴォーカルをしていたフェアポート・コンベンションがイギリスのフォーク・ロック界ではカリスマ的な存在だったようで、それを真似てバンドを始めたのが結成のきっかけだったようです。

 トゥリーズの音は、一言で言うとトラッド風味のフォーク・ロック。まさに、フェアポート・コンベンションというかサンディ・デニーの世界の音、ど真ん中といった感じです。というか、このアルバムにはトラッドそのものも収録されていますから当然ですね。

 そんな中で、トゥリーズ固有の特徴はというと、セリア・ハンフリーズの声質に尽きると思います。高音部はルネッサンスのアニー・ハズラムのように透き通っていて、低いところはフリートウッドマックのスティーヴィー・ニックスみたいにちょっと擦れた感じがあるんですよ。こういう声がツボの人たちは結構多いんじゃないかと思うのですがどうでしょう。私は過激にツボすぎです!

 収録曲10曲中5曲はトラッドをアレンジしたものです。トラッド独特の節回しはジェスロタルの各曲やツェッペリンの限りなき戦い(あ、これにはサンディ・デニーが参加していましたね。)あたりにも共通するところがあります。

 夜中の静寂の中で小さな音でかけてみると、一瞬部屋の空気が、鄙びた英国庭園の空気と置き換わりそうなトリップ感覚に襲われます。そんな、ちょっと怖い不思議な存在感のある音です。