Cafe Evil 9

ごくごく普通の何の変哲もない平凡でどこにでもあるようなブログです♪

Electric Sun / Fire Wind

 ●●サン繋がりで、今度はこれです!まだほかに●●サンってありましたっけ?
 エレクトリック・サンは、スコーピオンズのリード・ギタリストであったウリさんが、脱退後に始めたトリオです。ジミー・ヘンドリックス・フリークであったウリさんがスコピ時代から思い描いていたジミ・ヘン路線を強力にしかも誰にも邪魔されずに推し進めるためのワンマン・バンドであったようです。

 このアルバムは、そのエレクトリック・サンのセカンド・アルバムです。リリースは1981年。収録曲は、Side 1 - 1.Cast Away Your Chains(3:56) 2.Indian Dawn(5:16) 3.I'll Be Loving You Always(5:00) 4.Fire Wind(5:03) 5.Prelude in Space Minor(1:22) // Side 2 - 1.Just Another Rainbow(3:54)2.Children of the Sea(3:23)3.Chaplin and I(5:45)4.Enola Gay (Hiroshima Today?)(a:Enola Gay b:Tune of Japan c:Attack d:Lament)(10:37)。メンバーは、Uli John Roth(g,vo) Sidhatta Gautama(dr) Ule Ritgen(b)です。

 この後、彼はロックな世界から何十年にもわたって姿をくらまし、突然ギター仙人となってクラシック的なヘンテコな音楽を作曲して降臨したものの、庶民には理解できないぶっ飛んだ世界に逝ってしまっていました。何年か前に、スコピ時代のセルフカバーを出して、ちょっとだけ健在ぶりを示しましたけどね。

 そんなわけで、スコピ脱退後の相当長期間において、ウリさんのアルバムは非常に微妙なものばかりだったのですが、この一枚「ファイヤー・ウインド」だけは、異常なまでの完成度となっています。エレクトリックサン名義でも、前後のものはダメ。これだけです!

 スコピ時代の延長線上にある音だから安心して聴けているだけなのかもしれないのですけどね。このため、これは、今でも、時々、ふっと聴きたくなるアルバムなんです。冒頭のCast Away Your Chainsはスコピで言えばイントランスB面のLonging For Fireくらいキャッチーなメロディがポイントです。アルバム冒頭の曲としては他にないってところでしょう。流れるような速いギターのメロディー・ラインも秀逸です。加えて、彼のヘタウマな声がいいんですよ。スコピ時代から、暗黒の極限やヘルキャットやら、そして何よりドリフティング・サンに魅せられていた人たちにとっては生唾物です。

 もしもボブ・ディランが、ハードロックをやっていたら・・・って感じですね。そっち系のボーカルなのですが掠れ方がハンパなくって、彼の声質はめっちゃロックなんですよ。 このノリで、バラエティに富んだ曲が目一杯収められたアルバムです。1曲ずつ書いていると切りがなくなります(^^)
 個人的なツボは、アコースティックなチャップリン・アンド・アイです。この曲は、ロックFujiyamaでローリーさんもお気に入りだとおっしゃっていましたね!みんな流していましたが、これを選ぶところのツウさ加減、半端じゃないです!やばいルックスですが、めっちゃ見直してしまいました!ギターの深いベントを伴ったビブラートは一音一音を聴くだけでぐ~っとクルものがありますよ(^^)