主要なメンバーは変わってしまったものの、伝統的なKansasサウンドが脈々と継承されている点は、企業のようですね。YesもPurpleもそんな感じ。
川崎チッタのライブでSteve WalshのSong for AmericaやMiracles out of nowhereが聴けたのがわずかな救いでしたね!このライヴは行っておいてよかったなぁと。
そうした中、さらに時が過ぎて発表されたこのアルバムは、これまでの鬱憤を吹き飛ばしてくれる快作でした。前作は、このアルバムとほぼ同じメンバーで作られているににいまいちピンと来ませんでしたが、これは一際違っていました。核はほとんどの曲を作曲し、プロデュースも行っているギターのZak Rizviです。彼は翌2021年に早くも脱退してしまうので、振り返ってみると、一期一会的なアルバムであったわけですが、全ての曲の完成度とアルバムを通して聴く際の纏まりが際立っています。永遠の序曲、暗黒への曳航の次くらいに並べてもいいかなぁという出来です。
Kerry Livgrenの作り出した往年のゆったりしたオーケストレーションを継承しつつも、Dream Theaterに代表されるProg-metalのフィルターを通過しているので、ギターの歪み、各楽器の粒立ち、リズムの細かな刻みがちょうどいい具合に仄かにメタリックなんですよ。ここが新生Kansasというか、このアルバムのポイントかなと思います。
写真はパープルVinylのLPです。CDもついていました。ジャケット・アートもいいですよね。このほかクリアや黒のレコードもあるようです。