Cafe Evil 9

ごくごく普通の何の変哲もない平凡でどこにでもあるようなブログです♪

Nazareth / Play'n'The Game

 70年代ハード・ロックの中で私的に極め付けの1枚・・・ってことで・・・これを載せてみました!ナザレスです!1976年11月のリリース。Play'n' the gameです。なぜか、非売品見本板(^^;;

 ナザレスは、1969年から70年代初期にかけてLed ZeppelinDeep PurpleBlack Sabbathといった超大物ハードロック・バンドを排出したブリティッシュ・ハードロックのシーンの中で、同様に長いキャリアを持ちながら、日本ではイマイチ派手にブレイクすることなく、燻し銀のようにシブい活動を続けてきたグループです。

 ナザレスの結成は1966年だそうです。このアルバムは、結成から10年目で第8作にあたります。ナザレスは、74年頃にアメリカとカナダでブレイクして、その後、AOR風味が追加されたというようなことが書かれていたものを読んだことがあるので、このアルバムはその後に出たもののようです。

 当時のブリティッシュ・ロック界の状況は、アメリカに進出して一発当てるっていうのが、多くのバンドの命題であったようです。ピリッとしたリフと長いソロによる曲構成からポップなロックン・ロールへの移行というのを大方のバンドが行っていた時期です。そうすると、このアルバムは、彼らが一発当てた後ということになりますが、収録曲の方向性については、音楽性に変化を加えようとしていたものか、Joe Tex、The Drifters、The Beach Boysなどのカヴァーを収録するなどバラエティに富んだ内容となっています。ロッド・スチュワートが歌いそうなちょっと軽い曲がそうしたカヴァーです。AORヒット狙いって感じなのでしょうかね~。

 他方、それら以外のオリジナルは、従来の彼らの曲調から疾走間を押し殺し、極めて重い演奏となっています。心臓にズシズシ響いてくる重圧系の曲!サムバディ・トゥ・ロール、ダウン・ホーム・ガール、ウエイティング・フォー・ザ・マン、ボーン・トゥ・ラブ、LAガールズの5曲。これがなんとも気持ち良くってしょうがないんですよ~。そうした曲は全体にミディアム・テンポ以下なので、ゆったりとした隙間の多いバッキングの中で、ダン・マッカファティの、もう、ロックのボーカリスト以外に考えられないというくらいしわがれた声が、冴え渡っています。

 時々、周期的に、ナザレス・モードがやってきます。今回もそれで、(気持ちだけ)大爆音で回しまくっております。…気持ちよすぎ!76年に発売されたこのアルバムのライナーで伊藤正則氏がライターになる前に初めて投稿したのがナザレスに関する原稿だったとコクってしまうくらいハマっていたというのも頷けるよというものです。

 とにかく地味でその筋の人好みっていう音なんですよ~。彼らの作る楽曲自体は普通なんだけど、なぜか演奏の音に強烈なオリジナリティが感じられるという、ナザレスはそういうブリティッシュ・ハードロック・グループだったのです。実は、このアルバムを、これまで、音楽関係のブログやら何やら、関わった人たちにめっちゃプッシュして来たのですが、誰も同意してくれる人はいなかったという・・・不遇のアルバムでもあるのですが、、、個人的には、ナザレスの数あるアルバムの中で、犬毛でも無情の件でもラザマナスでもなくもうこれしかないという域に完成度が達していると妄信的に崇めているのがこのアルバムなんです。もう、これしかないって感じ!わかるかなぁ、わかんねぇだろうな〜(死語)