Locanda Delle Fate / Forse Le Lucciole Non Si Amano Piu - 邦題「妖精」です。ポリドール・イタリアンロック・コレクション盤です。
ロカンダ・デッレ・ファーテは、このアルバム1枚を制作し直後に解散しましたので、当時は伝説的な存在でした。当時のレコード等のライナーにも、スタジオミュージシャンが制作したものらしいとかメンバーの詳細は不明といったことが書かれていました。
後になり、当時のライヴ音源が発掘発売され、1990年になぜか再結成、何枚かアルバムとライヴ盤などをリリースし現在も活動をしているようなので驚きです。チッタに来日もしたんでしたっけ。なんだか、近年、ゾンビのように70年代のイタリアのプログレの人たちが押し寄せてきているので観たいような怖いような何だか変な気持ちです^_^;
この「妖精」の音楽は、イタリアの数々のプログレッシヴロックのアルバムの中で、特に「美しさ」が特徴です。変拍子を多用しテクニカルに構築されていながら、そうした技巧面を意識させないアルバム全体を支配する「美」が存在します。
丸みを帯びたギターのトーン、生のピアノの響きなどかなり緻密に調整されています。唯一ヴォーカルのレオナルドおぢさんの声だけが丸みを帯びていないのですが、この声が、またいいのです!AOR系の無骨な声。カサブランカなんかも歌えるに違いない声。この声で、時には朗々と、時には吐き捨てるように歌い上げられてしまっては、もう「参りました」としか言いようがありません。そういうアルバムです。イタリアの懐の深さってヤツでしょうか!
ジャケットの美しさも目を引きますよね!絵描きさんは不明。手元にはポリドール盤のLPとCDがあります。曲名の日本語訳は、1.ひとときの静寂、2.螢が消えるとき、3.白色の香、4.新しい世界を求めて、5.憧れ、6.星に鍵をかけないで、7.誤ち…です。CDには、ニューヨーク、と9番目の月の2曲のボーナストラックも収録されています。…なんだかこの邦題もそそられる気がしませんか^_^;
彼らの歌詞は(邦訳を見る限りではありますが^_^;)なかなか物語りチックに雄弁な言葉で綴られています。そして、美しい言葉の行間には反戦又は反体制のメッセージが読み取れるようにも思えます。