Cafe Evil 9

ごくごく普通の何の変哲もない平凡でどこにでもあるようなブログです♪

Il Rovescio Della Medaglia / Contaminazione

 ロヴェッショ・デッラ・メダーリャ。メダルの裏側・・・という名前のイタリアのバンドです。結成は1970年前後だそうです。当初、彼らはカオス的なハードロックを演奏していましたが、その後、1973年に、一転、この一代シンフォニックロック・アルバムを創り上げてしまいました。邦題は「汚染された世界」です。  プロデューサーがイタリアン・プログレの重鎮Luis Enriquez Bacalovです。このバカロフの起用が、このバンドのシンフォニックな一代変化を決定付けています。彼は、オザンナのミラノ・カリブロ・ノーヴェやニュー・トロルスのコンチェルト・グロッソ#1にも関わっています。  この作品は、 全13曲から構成され、アルバム全体が組曲となっています。曲のタイトルは順に、消滅した世界、忘却の彼方に、静寂なる響き、目覚め・・・そして再び夢の中、貴女への熱き想い、君に捧げる歌、ヨハン・セバスチャン・バッハ、スコットランド・マシン、独房503号室、汚れた1760年、電波障害、絢爛豪華な部屋、終焉のフーガ。・・・この言葉の並び具合を見ただけで、プログレファンに対する訴求効果は著しいことこの上ないでしょう。

 ジャケットにバッハが登場しているように、バッハの世界観を現したものだそうです。BMGの復刻紙ジャケシリーズには歌詞の対訳が付いているのですが、歌詞からは、7曲目のタイトルがバッハであること以外にどうこのアルバムがバッハなのかは歌詞からは意味不明です。他方、楽曲の密度は、異常の濃さです。1970年代中期のイタリアン・シンフォには、実に緻密な作曲がなされ卓越した技巧で演奏されるものが少なくないのですが、そうした中にあって、このアルバムで聴くことの出来る楽曲と演奏は、間違いなくトップ・クラスだと思います。

 随所に、絢爛豪華且つ印象的なバッハのフレーズを散りばめていて、それでいて、しっかりとロックしています。1973年の他の一般のグループに見られたブルージー又はサイケな感覚は皆無です。彼らが元々HR路線だったなんて全く信じられないくらい清楚な整った音です。さらには、90年代以降のプログレッシヴ・メタルのシーンでみられるようなタイトな演奏。複雑かつ超絶、技巧的な場面展開が、この時代に、既にさらっと成し遂げられています。これは驚嘆以外の何者でもないですよ!  ・・・まぁ、このアルバムをはじめて聴いたときには、かなりぶっ飛びました!!!  激しくオススメの1枚!