Cafe Evil 9

ごくごく普通の何の変哲もない平凡でどこにでもあるようなブログです♪

Dream Theater / Images and Wards

 1992年リリースの第2作「イメージズ・アンド・ワーズ」です。もう、これが出てから30年にもなるのですね。吃驚です。今やド定番。教科書的またはバイブル的なアルバムとなりました。当時、このツアーを厚生年金の6列目(ペトルーシの目の前)とサンプラザの2会席最後尾で見たのを昨日のことのように覚えています。

 

 さて、そんなドリーム・シアターの結成は1985年に遡ります。当時バークリーでジョン・ペトルーシ(g)、マーク・ポートノイ(dr)、ジョン・マイヤング(b)がMajestyを結成。ケビン・ムーア(key)を加えた後に行ったボーカリストのオーディションによりチャーリー・ドミニシが参加します。そして1989年にwhen dream and day uniteでデビューしたわけです。

 

 しかし、当時のブートを聴けばよく分かるのですが、チャーリーはライヴでは音程がヤバい感じのボーカリストで・・・そこらあたりが原因かどうかは不明なのですが、そのチャーリーが脱退します。

 

 その後音沙汰がなかったのですが、3年後、ボーカリストにジェームズ・ラブリエを加えて発表されたのが本作でした。ドリーム・シアターは、超絶技巧プログレッシヴ・メタルの先駆者的存在です。ドリーム・シアターが成功した後、亜流グループの発生が跡を絶たないようですが、追随を許していないのは、テクニックばかりではなくセンスなんでしょうね。本作はそんな1990年代プログレッシヴ・ロックの記念碑的作品です。

 彼らの創り上げた楽曲は超絶技巧の博覧会のようでもあります。早弾きフレーズと変拍子、そしてそのユニゾンの息もつかせぬオンパレードに留まらず、例えば、アルバム冒頭プル・ミー・アンダーのイントロのゆったりとしたギターのフレーズ一つをとってみても、弦とびのストレッチ・トレーニングのような技巧的なものです。

 そして、そのように凡人には真似ができそうもない楽曲であるにもかかわらず、至って普通にさらっと聴かせ、しかも、ライヴにおいては、それを完璧に再現してしまいます。

 

 このアルバムの収録曲は8分から10分台の長尺曲が多く、中でもメトロポリスは、後のアルバムにも引き継がれる重要な楽曲です。このアルバムの後、彼らの音は、ダークになり、しかも、音数を可能な限り詰め込んでいるかのように緻密というよりは高密度な音楽への道を辿っていきます。それはそれで凄いのですが、あまりの密度に、どれも全部おん同じゃんっていう気になることもしばしばです。多作すぎですね~。

 

 どのアルバムもよく作りこまれていて素晴らしいのですが、やはり、一番、肌にしっくり来るのは、この2ndです。まだまだ、音に隙間があるので、リラックスして聞けるんですよ。とはいえ、これが出た当時は、どこまで詰め込んでるんだって感じではありましたが、イマドキの音も詰め方に比べれば、いたって普通ですからね~。

 

 たとえて言うならば、チルドレン・オブ・ボドムから見たパープルのスピード感かなぁと。そうした意味では、ギターにディストーションがかかった瞬間に耳を塞いでしまうような頑ななオールド・プログレ・ファンの人たちにも、今であれば余裕で聞けるかもしれないなぁという気がします。