1970年にリリースされたクオーター・マス唯一のアルバムです。(・・・のはずだったのですが、1997年代に一度再結成しQuatermass II: Long Roadというアルバムを出してる模様です。)
クオーターマスは、ギターレスのオルガン・トリオです。このアルバムは導入部と最後に電子音がピロピロしてる感じのエントロピー、エントロピー・リプライズを置いて、その間にブルースが基調のジャズ・ロックとハードロックの中間に位置するサウンドを散りばめています。
収録曲の中で、最も有名な曲は、ブラックモアズ・レインボウの1stにも収録されたブラック・シープ・オブ・ザ・ファミリーの原曲です。この曲を聴くと、割とストレートなハードロック路線ともとられがちですが、他の曲を見ると7分から10分前後であることからも想像できそうですが、凝ったインスト・パートが中間部に織り込まれた、なかなか大仰な曲が中心となっています。
プログレッシヴな深みのあるオルガンが特徴です。曲によってはちょっとサイケな展開になったりもしますので、ちょっと古めで、しかも一捻りある音楽が好みの方には一推し出来ます。
CD化された際、One Blind MiceとPuntingがボーナストラックで追加されています。メンバーを見ますと、ジョン・ガスタフソンは後にイアン・ギラン・バンドに加入しています。このバンド、後にニック・シンパーやドン・エイリーも出入りしていたり、ブラック・シープ・オブ・ザ・ファミリーを録音できなかったといってブラックモアがパープルを脱退したりといったあたりも含め、微妙にパープルと接点があったようですね。
さてジャケットです。ビルの合間を飛ぶプテラノドン。やはり、ヒプノシスの幻想的なジャケット・アートはよいですね。LPサイズで眺めると格別です。白黒というのも思わせぶりで深みを増長してますよね。このアルバムは、東芝音楽工業の国内盤です。当時の解説者の方が、プテラノドンを始祖鳥だと思っていて、そのまま掲載されているところなど、当時の業界はなかなか適当だったようですね。