初期ヴァーティゴ・レーベルに一期一会の録音を残したアーチスト・・・みたいなアルバムは、最近、結構なペースで発掘され紙ジャケCD化されていますが、このクリア・ブルー・スカイもその一つです。1970年のリリース。
ロジャーディーンによるイエスの危機の内ジャケ似のカヴァー・アートが一際目を惹くこのアルバムは、A面に、3つのパートで構成された20分に及ぶ組曲Journey to the inside of the sun、B面に4~7分台の曲4曲の計5曲で構成されています。
こうした装丁や曲構成はかなりプログレ・ファンに訴求するところ大ですね!特に、ジャケット裏面メンバーの名前や曲名等々のデータが手書きされているのですが、その文字が、イエスの危機やグリーンスレイドの内ジャケでおなじみのあの字体であるところもポイント大です!
音の方がどうかというと、めちゃ古いハード・ロックです。いわゆる様式が完成される前のフリーフォームなロックで、ギターのエフェクト類もファズ一丁かひょっとしたらナチュラルな歪みではないかという感じです。
ジャーマン・ロックにありがちなメロディー云々よりも弾き倒してみましたっていうヤツです。更に、演奏もなかなか雑で、ホンマにルートの音とあってるんかいみたいだったり、変なスケールを使ったソロがあったりとか、チョーキングが妙に半端だったりとかするのでありました。
でも、でも、そうしたカオス的なロックというのが何とも気持ちいいときがあるんですよ。そして、なんだかんだといいつつも、端々のリフやソロのとり方は、どこをどう切り取っても、ブリティッシュ・ロックなんですよ。もう、一部を聴いただけで、あぁ、往年のブリティッシュやなぁという音です。
またまた話はジャケに戻りますが、このロジャー・ディーンのジャケットはLPで手元に置いときたいですよね~。この絵を眺めながらアナログで回すと、感慨ひとしおで、プチノイズ混じりできくと、相当ハマれるのではないかとかねがね思っていたところ、新宿某所で、フランス盤ではあり、かつ、結構傷みはきてるのですが、リーチが届く範囲内で捕獲することができました。それが写真のブツです。
印刷の関係か、線がはっきりしてますね。色あいも若干黒っぽいですね。仏盤とはいえ流石に1970年のオリジナル・ヴァーティゴ!スモール・スワール!ターンテーブルで回すと目が回ります!