キャラバンサライのレコーディング中にサンタナのバンドから脱退したグレッグ・ローリー(key)とニール・ショーン(g)が73年にジャーニーを結成しました。彼らは、75年以降毎年1枚のペースでアルバムを発表。このアルバムは第3作目になります。邦題は「果てしなき挑戦」。
前作までのハードロックともサンタナの延長線ともつかない、また、ちょっと無理したポップスともなんだか捉えどころのない混沌とした雰囲気から完全に脱皮。遂にジャーニーは、サンタナの音楽からラテンパーカッションを抜きポップスに接近し、しかもプログレッシヴな味付けを施した所謂アメリカン・プログレ・ハード的な手法に収斂されました。
この次のアルバムからジャーニーはヴォーカルにスティーヴ・ペリーを加えて80sの爆発的なヒットに向け、さらに異質なバンドへ変貌するのですが、そうしてみると、このアルバムは、丁度、活動のターニング・ポイントに当たるアルバムということで、一際異彩を放った作品ということになります。
一言で言うと「ぷろぐれ的」なんですね。アメリカン・ハード・プログレに括られるジャーニーですが、カンサスやスティクスと異なり、ジャーニーは、このアルバムの前後のどのアルバムでも、全くプログレ的な音を出していません。
ところが、このネクストでは、特にグレッグ・ローリーのキーボードが、ポップな曲の隙間を縫うように、実に煌びやかに「らしい」味付けをしています。そこがこのアルバムの「ツボ」です。グレッグ・ローリーの70s特有の自然体のボーカルもいい味を加えています。
このアルバム発売当時、ハンググライダーがブーム、というか、世の中に登場して、世の中の人たちをアッと驚かせたような時代背景の下で、タイムリーに「スペース・マン」が収録されたこともあり、かなり、へヴィー・ローテーションでラジオから流れていた記憶があります。この曲と、2曲目の「ピープル」のうねるようなメロディー、4曲目「ヒア・ウイ・アー」冒頭の煌びやかなキーボードが耳に残りすぎてます^_^;
ジャーニーのアルバムの中で、80年代に大ヒットしたエスケープを抑え、今でも、最もよく聴く1枚です!