スポックス・ビアードです。彼らは、1995年に突如登場した、シンフォニック・ロックの超新星でした。・・・っていっても、もう何十年も経っちゃいましたね(^^) そのデビュー盤が、この「The Light」です。
まず、第一に、プログレッシヴ・ロックのアルバムを見極める際に、そこに収録されている楽曲の数と演奏時間は、その筋のファンにとっては最も気になるところです。そこで、収録曲をチェックしてみると・・・全4曲。そしてこの超大曲の演奏時間を見ただけで即合格をコールしてしまいます!
- Light: the dream / one man / garden people / looking straight into the light / the man in the mountain / senor valasco's mystic voodoo love dance / the return of the horrible catfish man / the deream(15:33)
- Go the Way You Go(12:03)
- Water: introduction / the water / when it all goes to hell / a thief in the night / FU-I'm sorry / the water(revisited) / runnin' the race / reach for the sky(23:14)
- On the Edge(06:11)
スポックス・ビアードは、アメリカ(LA)のバンドです。曲は70年代の大御所を引き合いに出すとジェネシスに近い曲のセンスと、かなりダイナミックな展開方法とメロディーで出来上がっています。しかし、90年代のバンドだけあり、また、アメリカだからなのか、芯が相当に太いんですよ。ボーカルのスタイル、ギターの音色などパーツを一つずつチェックしてみても、英国の在りし日のプログレとは完全に一線を画しています。
ビリー・ジョエルのグラス・ハウスやスプリングスティーンの明日なき暴走など、往年の大ヒット・ポップ・アルバムと並べて聞いても、全く違和感がないポップ・ミュージックとして仕上がっています。
それでいながら、見事にシンフォニックなんですよ。往年のアメリカン・ハード・プログレに照らしてみると、KANSASが築いたアメリカン・ハードの方向性のずっと先にあるものっていう感じです。出るべくして出てきたものという感じでしょうかねぇ。
ドリーム・シアターのようなメタル寄りのダークさは皆無です。
むしろ、ドライな印象!反面、作曲の手法としては、ジェントル・ジャイアントには相当影響を受けています。The Waterのテーマになるメロディーを構成するリズムの屈曲の仕方なんか、GGファンには涎モノだと思いますよ~!