#nowplayin 的なノリで怒涛のUP中です。最初は、その筋の人にとってはメジャーなあたりを載せてますので、外見ちょっとは似非プログレページ的な体になってきたでそうかね。次はこれかな。
1972年にリリースされたJethro TullのThick as a Brick、邦題「ジェラルドの汚れなき世界」です。LP1枚全1曲。おそるべしプログレ作品です!
ジェスロ・タルの原点は1966年イアン・アンダーソン、ジョン・エヴァンらが結成したジョン・エバン・スマッシュに遡ります。このバンドは翌年ロンドン近郊で解散するのですが、その後イアンと初代ベーシストのグレン・コーニックがバック・オブ・ブルースを結成し、ジェスロ・タルと改名したのだそうです。
バンド名の由来は18世紀の農学者の名前とのこと。1988年にガンズを押さえてヘビメタ部門でグラミーを取ってしまうなどの存在感(笑)を示す彼らですが、その全盛期は、1971年から1975年あたりだろうと思われます。
この時期には、本作のほか、パッション・プレイ、天井桟敷の吟遊詩人などの一代大作を発表しています。当時の彼らの大作群は、シンフォニックロックを指して言う場合の所謂プログレというジャンルそのものではないにしろ、何らか掠っていることは間違いないでしょう。トラッドとシンフォが交錯する怪しい音世界です。一応、このブログではシンフォにしときますが、まぁ独特な音ですね。
そうしたアルバムの中でも、本作は、8歳の少年Gerald - Little Miltonが書いたと言う詩を題材にしたコンセプト・アルバムになっています。2001年にストレンジデイズから発売された紙ジャケには、ボーナストラックとしてイアン・アンダーソン(vo.fl)らのインタビューが入っていました。それによれば、ジェスロ・タルはアルバム「アクアラング」をコンセプト物としてではなく全くの曲の寄せ集めで作ったにもかかわらず、コンセプトアルバムとして評されたことにイラッとして、本作を「本当のコンセプトアルバムとはこれだ」というノリで作ったのだそうです。
8歳の少年Gerald自体がそもそも架空なのだそうで、しかも、ジャケットは、12ページにわたる新聞になっていおり、しかも、この記事は全て適当にでっち上げて書いたものなんだそうです。ホントによくここまでやるなという感じです。
写真は先日某所で¥0.5Kで拾ってきた発売当時の国内盤です。綺麗なオリジナル盤も¥4Kでした。最近このあたりのレコードって暴落してるんでしょうかね?そこそこ売れてプレスが多かったからかな。
この当時の国内盤のライナーを見ると「このアルバムの作詞を8歳の少年がやっているとのこと。これはアルバムを包んでいる新聞を読んでもらえば一目瞭然であるが、S.L.A.G.(文学促進組織)が開いたコンテストに優勝したジェラルド・ボストックの作品になるポエムである。」と書かれています。ライナー書いた方も見事に騙されています(笑)
新聞記事はかなり緻密で、7歳から16歳までの子供を対象にしたコンペには英国中の学校から何千もの応募があったなどと好き放題な嘘が書き並べられています。これを作っているところを想像すると相当に面白かっただろうなぁとにんまりしてしまいますね~。
表紙の左上に赤で7ページにジェスロ・タル特集と書かれていますので、見てみると、歌詞とライナーが星占いなどとともに印刷されているという凝り様です。はたして、この新聞を全部読破した暇な方とか、もしかして、この全訳をアップしてる暇な方とかいるのでしょうか。なんだかいそうな気配(笑)
アルバムを通しで聴くと44分という長尺ながら、イアン・アンダーソンの独特のボーカル・スタイルから醸し出される安堵感が心地よくって、また、頻繁に曲調が展開するので、意外にもサラッと聴けるアルバムです。