Cafe Evil 9

ごくごく普通の何の変哲もない平凡でどこにでもあるようなブログです♪

Yezda Urfa / Boris

 イエツダ・ウルファの幻のファースト・アルバムです。イエツダ・ウルファは1973年に結成されたアメリカのバンドです。イエツダはイラン、ウルファはトルコの地名。

 

 このアルバムは、1975年にメンバーが自主制作で300枚プレスしました。それを、A&M、キャピトル、WB等といった様々なレーベルに送ったものの契約に至らず、結果として幻の産物となっていたものです。

 

 数十年後、この音源が発掘され、日本ではベルアンティックから2004年に発売されて聞くことができるようになりました。6曲目はその際に追加されたボーナストラックです。

 

 今から聞けばメジャー契約を獲得できなかったとは思えないくらい、凄まじいということばがぴったりな超絶技巧曲の数々です。アメリカのレコ会社からすると、ボーカルが弱いからアウトだったんですかね。クラシカルなフレーズあり、ELPを彷彿とさせるハイスピードのカントリーあり、ドリームシアターかと思うようなドラムの連打あり、急激な場面転換多々あり、ジェントルジャイアントばりの捻くれたコーラスありと、凡そ考えられる限りのプログレッシヴロックの断片がこれでもかと言わんばかりにギュウギュウに詰め込まれています。

 

 メンバーの当時の気合がちょっと聴いただけでビシビシ伝わってきます。

 

 1975年というと、クイーンのボヘミアン・ラプソディ、ベイシティーローラーズのサタデイナイト、ジグソーのスカイハイの年です。クィーンはともかく、こんなゆる〜い時代に、ここまでタイトでヘヴィーで目一杯音が詰め込まれていて、しかもシンフォな音が存在したこと自体が信じがたいところ。

 

 というわけで、とにかく「凄い」という単細胞的な感想しか口から出てきません!・・・それほどの完成度です!ぜひご賞味ください!