1990年代のプログレ復興はかなり目まぐるしいものがありました。ドリームシアター、イット・バイツ、そして、マグナカルタ・レーベルから立て続けにリリースされたマジェラン、カイロ、シャドウ・ギャラリーといったプログレッシヴ・メタルやちょっとポップ寄りのもの、そして、極め付けは北欧から突如現れたこのアングラガルドとアネクドテンでした。この北欧の2つのバンドは著しく強力なクリムゾンの影響下にあるバンドでした。
中でもこのアングラガルドはより複雑で緻密なインストルメンタル中心のバンドです。重いです!薄暗くて寒い帳の中から聴こえてくる暗黒の音楽って感じでしょうかね。耽美でちょい怖です。でもなかなか練りこまれた音楽でオケを聴くように鑑賞するのに向いていると思います。演奏時間を見ただけで往年のプログレファンには訴求効果絶大ですよね。
写真は、2013年にアルカンジェロから出たCDです。彼らのデビュー盤で、邦題は「傲慢」。実は、92年のデビュー当時に買い逃し、その後再発されなかったのでかなり長い間聞けなかったのですが、三枚目のスタジオ盤、邦題「天眼」がリリースされた際に再発され目出度く聴けるようになりました。
装丁がよいですね。ブックレットやらステッカーやらが再現されています。
裏ジャケやブックレットには森の中に置かれたメロトロンの写真があります。アングラガルドの音は、まさに、この写真に象徴される音です。
一応、レコ会社の表記に合わせてアングラガルドと書きましたが、実際には、これは誤りです。スウェーデン語の「ä」は軟母音で発音記号で書くと「ɛː」、また、「å」は硬母音で「oː」です。なので、スウェーデン語をお勉強したことはないのですが、多分、カタカナにすると本当のバンド名は「エングラゴ」みたいな感じではないかと思われます。1970年代のレガシーですかね(笑)レコ会社あるあるは、インターネットで簡単に本当のことを検索できるようになった今でもまだまだ続いているのでありました。