ロックなぺ〜じなので、これは外せないですね。ブラック・サバスです!サバスは、まぁ一言でいうなら、「サバスが聴けないやつはロックが好きだ何て言うな!」と断言できるバンドです!
1960年代初期は、ロック・ミュージックの黎明期でありました。1962年3月ボブ・ディランがデビュー、10月にはビートルズがデビュー、翌1963年6月ローリング・ストーンズがデビュー、7月にはビーチボーイズがサーフィン・USAをヒットさせ、さらにヤードバーズが結成されました。65年には、ニューポート・フォーク・フェスでボブ・ディランがエレクトリック・ギターを使用して聴衆の非難を浴び、66年6月にはクリームがデビューしました。1968年にはレッド・ツェッペリンが結成され、ディープパープルもデビューしています。
1960年代後期、20世紀最後の魔術師と称されるアレイスター・クロウリーらの影響により黒魔術ブームが起こりました。ロック界隈も当然のごとくかかるムーブメントに侵食され、黒魔術に傾倒した数々のバンドが排出されました。ブラック・ウイドーなるバンドも誕生し、ストーンズでさえ黒魔術に接近し、また、後にジミー・ぺイジがクローリーの家に住み着いたのは有名な話しです。ブラック・サバスが結成されるに至る時代背景は、ざっとこのようなものでした。
1967年、トニー・アイオミ(g)、オジー・オズボーン(vo)、ギーザー・バトラー(b)、ビル・ワード(dr)の4人がイギリス、バーミンガムでバンドを結成しました。結成当時は"earth"と名乗り、演奏する音楽も、ジャズ・ロックに近いものであったということです。この1stアルバムやLive at lastのビル・ワードのドラムやアイオミのソロを聴くと少し頷けるところがありますね。
彼らの初のライヴは、ザ・ポーキー・ホールでした。1969年、4人は、バンドの名称をブラック・サバスと改名しました。earthという同名のバンドが存在したからでした。命名の由来は、ギーザー・バトラーがベッドに寝転んで本を読んでいる時に思いついたといういい加減なものだったそうです。
なお、命名の由来については次のような説もあります。前身のアースがリハーサルに使っていたスタジオの向かい側に映画館があり、ある日、そこで1935年頃に制作されたホラー映画「ブラック・サバス」が上映される際に映画館に入場客の列が出来ているのをメンバーが見つけ、客が恐がるために金を払うことを発見したのに端を発し、その映画に肖って全員一致で「ブラック・サバス」と改名したという説です。どれがホントなのかは定かではありません。
7月に、サバスは、サウンドスタイルを現在に継承されるヘビーなものへと変貌させました。この年12月にトニー・アイオミが何とジェスロ・タルに参加するため脱退。しかしこれは、一時的なものに留まり、2週間後、早くもサバスに無事復帰しました。1970年1月、サバスはバーティゴと契約、「イヴィル・ウーマン/悪魔の世界」でフォンタナ・レーベルからシングル・デビュー。翌2月13日金曜日にファースト・アルバムを発売することとなりました。それが、このセルフタイトルのアルバムです。アルバムの邦題は、バンド名の直訳「黒い安息日」です。
写真は、紙ジャケCDです。我が家の初のサバスは、ヘヴン・アンド・ヘルがブレイクした際に1800円で再発された際のNEMS盤シングルジャケでした。今は、サンクチュアリー・レコーズから再発された重量盤があります。オリジナルに手を出すかどうかは思案中。
見開きジャケットの内側に描かれた逆十字は信仰的に非常にまずいのだそうで、禍々しさに更に拍車をかけています。
さて、曲についてみると、まず、冒頭のタイトル曲「ブラック・サバス」が、雨音、雷鳴、重々しい教会の鐘の音で始まります。そして、暗鬱重厚かつ不安定極まりないリフが奏でられます。単音3つによるこの聴き手の不安を煽るリフこそ、まさにブラック・サバスの全てを語り、かつ、全てを決定付けているといってよいだろうと思います。
また、ブルースを基礎とする彼らの演奏能力が確実であることは、眠れる村~警告を聴くとよく理解できます。個人的には、これにどハマりしまして、未だに時々聞いています。
このアルバムでは、NIBの実際の歌詞とLP発売時に邦盤の歌詞カードに記載されていた歌詞が全く異なっていたり、サイド2の冒頭の曲がUK盤とUS盤で違っていました(UK:Evil Woman、US:Wicked World)。
ブラック・サバス」の不気味極まりないカバー・アートは、70年代のブリティッシュ・ロックのカバー・アート制作において忘れてはならない人物の一人であるキーフが手がけたものです。サバスはこのファースト・アルバム発売後、ヨーロッパ・ツアーを行い、第10回レディング・フェスティバルにも出演して、人気を不動のものとしました。このアルバムの発売から50年以上が経過していますが、永遠に瑞々しく、しかも禍々しいですね!