Cafe Evil 9

ごくごく普通の何の変哲もない平凡でどこにでもあるようなブログです♪

Hatfield And The North / The Rotters' Club

 インスタで#nowplayingとか#nowspinningとか書き込んでる感覚で、音源を回しながら書き綴ると、こうしたブログの記事も際限なく書きまくれてしまうので、困ったものですね。今回は、カンタベリー・シーンの大変重要なバンドについて書きます。Phil Miller(g) Dave Stewart(key) Richard Sinclair(b,vo) Pip Pyle(dr)というメンツは、所謂カンタベリー・シーンを代表するミュージシャンです。カンタベリー・シーンは、ミュージシャン側からも、また、リスナー側から見ても、一種独特な閉ざされた世界です。同じイギリスの同年代の人たちと並べてみても、誰一人、ロッド・ステュワートやジミー・ペイジポール・マッカートニーのように一般の人たちに認知されていませんし、スタジアム級の大きな箱で演奏することは無かったのではないかと思います。その反面、こうした音楽がたまらなく好きな人たちからすると、草の根をかき分けるように古い録音を発掘し、誰も知らない自分だけの秘密的に鑑賞してしまうという。あ、かなりな偏見が入っていますが、まぁ、世間一般の認知度からするとそういうニッチな音楽なのです。でも、まぁ、そういう狭い世界で、これだけ緻密な音楽を演奏していた人たちがいたというところが、イギリスの音楽の懐の深さなのだろうなぁというところでもあるわけですね。

 というわけで、このアルバムは、1975年3月にリリースされた、その筋の人たちにとってのマスターピースです。世間で、というか、その筋の人たちの間では、ごくごく普通にカンタベリー・シーン(我が国ではカンタベリー・ロック)とはいうものの、実際、ポップスに寄っていたり、前衛に逝っちゃってたり、まぁ、その雑多度というと半端ない感じではあります。そうした中にあって、一般にカンタベリー・ロックといった場合に、その言葉が指し示す音楽の代表格を1枚だけ選ぶとすると、きっとこれになるんだろうなぁというのが、このアルバムなんです。

 

 ジャズ・フュージョンでポップで前衛でシンフォでクール。チック・コリアのRTFをちょっとだけロックに寄せたような手数が多い複雑な演奏なのに、なんだか微睡んでる感じでお洒落スギます!