ヴォイヴォドはカナダのケベックで1982年に結成されたグループです。当初は、究極のスラッシュメタルとでもいうべき破壊的なノイズの塊のような音を出していました。2ndのrrroooaaarrrに至っては極限の凶暴さです!
1988年のdimension Hatross辺りから変化の兆しが見え始め、その後、1作毎に変拍子を多用したテクニカルな面にノイズ、サイケが同居した不思議な音像を構築して行くこととなりました。彼らはプログレッシヴ志向であったようで、次第に音が整理され、変拍子と極端な場面展開を多用する一風変わった演奏に変化していきました。ウォッチタワーなどと同型の音。ドリームシアターとは異なる路線でひときわスラッシュな音を極めつつプログレッシヴメタルな方向性が打ち出されてきたようです。
これは、そうしたヴォイヴォドの進化過程にあって、最もプログレッシヴ色が明確に打ち出されたアルバムです。ヴォーカルも吠えなくなりましたしね~。淡々とした抑制されたつぶやき系のボーカルが一層曲に深みと凄みを与えていると思います。
ジャケットの表紙の絵はタイトル曲ナッシングフェイスです。実は、このジャケット折り畳まれていまして、広げると他の各曲の絵も印刷されています。さらに、裏側はメンバーのポスターになっています。
収録曲の中にピンクフロイドの天の支配が入っているところも面白いですね。かなりタイトな天の支配です。
次々作アウターリミッツには、ナイル・ソングも収録されています。これは、メンバーのアウェイがピンク・フロイド等を愛聴していたことが原因なのだそうです。プログレッシヴ・スラッシュ・メタル!激押しです!