Rainbowの第2作。邦題「虹を翔ける覇者」です。
レインボウは、1975年にディープ・パープルを脱退したリッチー・ブラックモアが、同年、ボーカリストのロニー・ジェイムス・ディオと一緒に、彼の所属していたエルフ(アメリカのバンド)のメンバーを加えて結成したバンドです。
セルフタイトルのファースト・アルバム(邦題:銀嶺の覇者)をリリースした翌年、ロニー・ジェイムス・ディオ以外を解雇、強力な布陣で制作した2ndアルバムがこのRainbow Risingでした。
ケン・ケリーが描いたカヴァー・アートが象徴するとおり、極めて重厚荘厳なハードロックです。歌詞のキーワードは魔女と魔法です。中世暗黒志向の歌詞とバロック風味のクラシカルなスケールで展開されるインストルメンタルは不可分です。ハードロック又はメタルの分野でその後脈々と継承されていくビジネスモデルがここに完成しています。北欧系等々のネオクラシカルメタルのルーツはこのアルバムなのではないかと思います。
無伴奏のシンセサイザーがファンファーレのようにソロを奏でて始まるタロット・ウーマン、背筋にぞくぞくっとクルものがありますよね。続けて8ビートをザクザクと規則的に刻むギターのリフ、華やかスギです!
内ジャケに歌詞が印刷されたスターゲイザー(コージーもロニーも星になっちゃいましたね。R.I.P.)。パープル時代のインストルメンタルを技巧的に詰め切った感のあるア・ライト・イン・ザ・ブラック。
そうした諸々の楽曲の質ばかりではなく、曲順、タロット・ウーマンの神秘的な導入部とア・ライト・イン・ザ・ブラックの締めの力強さも含めたアルバム全体の構成、カバー・アート、メンバー写真等の装丁までも含め、寸分の隙もなく完璧です。ハードロックはこうあるべしという一枚です。
実は、このアルバムは、初めて買ったLPでした。なので、いまだに思い入れがとても強いのです!