Cafe Evil 9

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Kerry Livgren / Seed Of Change

 1980年にリリースされたケリー・リヴグレンのファーストアルバム。邦題は「闇の支配者」です。

 ケリー・リヴグレンは、カンサス初期の大曲の殆ど全てを書いている主要メンバーです。ドラスティック・メジャース発表以降カンサスを抜け、ADを結成、その他ソロ名義でアルバムを発表しています。そうした作品群の中で、彼の録音のベストは、カンサス在籍中に発表されたシード・オブ・チェンジです。

 

 このアルバムは、故ロニー・ジェームズ・ディオ等そうそうたる顔ぶれで録音されており、収録された楽曲も非の打ち所が無い素晴らしいものばかりです。カーシュナー・レーベル時代にKansasメンバーによるソロアルバムとして、スティーヴ・ウォルシュのスキーマー・ドリーマーとともに発売されました。

 

 ソロアルバムということもあり、曲によりメンバーの構成が異なります。Kansasからは、ロビー・スタインハート、フィル・イーハート、スティーヴ・ウォルシュが参加しており、このほかメジャーなところではジェスロタルのドラマー、バリモア・バーロウ、アトランタ・リズム・セクションのベーシスト、ポール・ゴッダード、アンプロージアのボーカリスト、デビッド・パック、そして、レインボウを抜けてサバスに加わる直前のロニー・ジェイムス・ディオなどが参加しています。

 

 ディオの歌は、2曲目Mask of the great deceiverと5曲目(発売当時LPではB面1曲目だった。)のTo live for the kingで聴くことが出来ます。ディストーションの目一杯にかかったギターが突っ走っていない清楚なオーケストレーションの中にフィーチャーされたディオのヴォーカルというのもなかなか良いものです。

 

 4曲目Whiskey seedではケリー・リヴグレン自身がヴォーカルをとっています。ジャケット裏面の収録曲のパーソネル欄には、Kerry("Mississippi Willie")Livgrenとクレジットされています。祖先は何も見えないのに目が4つもあったらしい。・・・なんていうネタは映画狂じゃなきゃわかんないかもしれないけど、彼は生まれも育ちもカンサスながら祖先はミシシッピ出身らしいのです。

 

 終曲Ground zeroは、Kansasファン、Livgrenファンにとって最も重要な位置を占める曲です。解りやすくツボを押さえて構成された楽曲、ピアノとストリングスをバックに繊細に歌い上げ、緩急静動を繰り返しつつじわじわと盛り上げ、最後は一気に感動の一代フィナーレというヤツです。Livgrenの楽曲はこうあらねばならない、というか、「お願いですからこういう曲を作ってください。」と跪きたくなるほどに完璧なアレンジが施されています。曲の頭から4分辺りの部分、ストリングスを経て短いギターソロへ至る辺りの流れなんて鳥肌モノですよ~!。・・・長年のヘビロテ、めっちゃシンフォな1曲です!

 

YoutubeKerry Livgren & David Pack-.Ground Zero

 

※ Rock Candy Recordsから出た2014年リマスターは、ファン必携です。リマスターでここまで音が変わるかというレベル!