Cafe Evil 9

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Tangerine Dream / Stratosfear

 

 タンジェリン・ドリームストラトスフィア、邦題「浪漫(ロマン)」です。タンジェリン・ドリームは1970年にファースト・アルバム「エレクトロニック・メディテーションをリリースしてデビューしました。タンジェリン・ドリームという名前から普通にイメージされる音楽は、所謂シンセサイザー・ミュージックだと思いますが、当時は、ロックのリズムやテンポが構築される以前の混沌としたカオス状態を録音したもの・・・とでもいうような、実験音楽でした。用いられている楽器は、まさに普通のロックで使用する機材だったのですが、出来上がった音楽は、アヴァンギャルドとくくってしまうとそれまでですが、独特の世界観を持った音楽でした。

 

 そのカオス的な音が、アルバムを重ねるごとに次第に形作られていき、ヴァージンに移籍した第5作目Phaedra以降から、無機的なテクノ系の方向に徐々に傾斜していきました。ヴァージンに移籍後の10年間がタンジェリン・ドリームの全盛期であり、アルバムでいえば、一般にはLogosやRicochetあたりが代表作であるといわれています。ヴァージンはレーベルの第一弾アーチストとしてマイクオールドフィールドのチューブラーベルズを発表し、そのすぐ後にタンジェリンドリームを発表したのだそうで当時彼らがどのくらい期待されていたかを物語っています。

 

 

 彼らの音は、ロックのフィールドにいる人たちからすれば、近年のポップ・ミュージックの変遷又は歴史について興味を持たないで聴くと、退屈な音楽以外の何モノでもないかもしれません。一方で、ハウスや2000年以降のテクノやハウスのフィルターを経て聴き返してみると、彼らの先駆性にはっとさせられてしまうこともあるのではないかと思います。実は、ほんの少し前までは、私は、こうした音楽は、退屈極まりなく、面白いとは微塵にも思っていなかったのです。しかし、最近、なぜかどハマり状態です。なんだか、急に波長が合ってしまったというか、そんな感じ。

 

 ミニマルだと一言で片付けてしまうと簡単ですが、最近の機材であれば、素人にちょっと毛が生えた程度の人たちが軽く制作可能な内容ではあっても、そうした音楽の黎明期に創始者の人たちが行った作業というのは大変なものがあったようです。巨大なモーグやメロトロンなど当時の機材で出した音をアナログテープに録り、それを挟みと粘着テープで繋ぎ合わせるという実にアナログな手法により、信じられない時間をかけて出来上がったものなのだとか。

 

 そうしたことも考えつつ聴くと、この憂いのある電子音もなかなか良いかなぁ~などと思います。まさに浪漫!電子的な規則的なビートはロック的な8ビートですし、そうでない部分はフリーフォームな電子音の集積で、そうした繰り返しが、意外にも、非常に静寂な中で発せられているプリミティヴな音のように録音されています。

 

 ・・・ここのところ、疲れがたまっているからかもしれないのですが、なんだか、癒されるというか、体の中が浄化されていくような不思議なトーンを持った音楽です(^^)マイナー調の憂鬱な曲調がアルバム全体を支配しているこのストラトスフィアは、シーケンサーの反復リズムとアナログシンセ群、ピアノ、メロトロン等の鍵盤楽器に加え、要所でギターがいい味を出していますので、ちょっとだけ、人間味の感じられる音作りとなっているように思います。


YoutubeTangerine Dream - Stratosfear